『図がたっぷり生化学』おまけコンテンツ

ビタミンとミネラル

 炭水化物とタンパク質,脂質は生命活動に必要な多くを満たしてくれるが,それだけではヒトは生きられない.生体要求にあわせて代謝がスムーズに行われるために,3大栄養素以外に必要なものが存在する.その代表格がビタミンとミネラルである.その生理的意義から,3大栄養素にビタミンとミネラルを含んで5大栄養素ともいう.

 多くのビタミンは脂質に分類されるのだが,3大栄養素となりうる脂肪酸とトリアシルグリセロールとは異なり主なエネルギー源にはならず,生理機能成分として微量必要な栄養素である.脂溶性ビタミンには,視細胞の機能に必須なロドプシンに関わるビタミンA(レチノール)などがある.一方,親水性ビタミンの多くは酵素反応に必要不可欠な補因子の原料であり,FADH2前駆体のビタミンB2(リボフラビン)NADH前駆体のビタミンB3(ナイアシン)などが重要である.ヒトなどほとんどの従属栄養生物は多様なビタミンを自身で生合成できないため,食事で摂取して栄養補給しなければならない.

 

ビタミンの種類 おもな役割

ビタミンA

ロドプシン(視細胞に必要)の合成

ビタミンB1

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

ビタミンC

コラーゲン合成

ビタミンD

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

ビタミンE

細胞の酸化防止

 ミネラルは,生命活動に必要でCHNO以外の元素と大体に定義でき,その要求量も多くはない.中でも金属陽イオンは肝要で,Na+Ca2+,および少しのZn2+Fe2+などが必要とされる.これらは酵素の構造安定化や触媒反応に積極的に関与して代謝反応全体を支えている.ミネラルも生体内でつくられるものではないので,絶えず適量を摂取しなければならない重要な栄養素である.

ミネラルの種類 おもな役割

鉄(Fe)

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

カルシウム(Ca)

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

リン(P)

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

マグネシウム(Mg)

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

亜鉛(Zn)

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○